冬場は必見!ヒートショックの知識と予防法・対策とは?

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冬場には必ず耳にする『ヒートショック』ですが、知識や予防法をあなたはご存知ですか?入浴中になりやすいと言われるヒートショック。入浴は体を清潔に保つだけでなく美容やリラックス効果も期待できる、日本では生活に根付いた習慣の一つですよね。入浴する際の身体状況や環境によって体に負担がかかったり、ヒートショックなどの危険な状態を引き起こすこともあるんです。

「ヒートショックってなりやすい人はいるの?」

「ヒートショックって冬だけのもの?」

今回はそんな疑問を含め、注意しなければならない「ヒートショック」の対策について一緒に確認しましょう。

この記事の目次

そもそも「ヒートショック」ってなに?

ヒートショック

ヒートショックとは急激な温度の変化から血圧が上下に大きく変動し、体に負担をかける状態のことです。

気温の下がる冬場に多く発生し、毎年ニュースやTVなどでもよく取り上げられることから、多くの方が耳にしたり興味を持ったことがありますよね?

めまいや失神、不整脈だけでなく、脳内出血や大動脈解離、心筋梗塞、脳梗塞などを引き起こし、死に至る非常に危険な疾患を引き起こすこともある危険な症状です。

ヒートショックはいつ起きるの?

図1:入浴中の心肺機能停止者数(2011年)全国47都道府県635消防本部出展:入浴時の温度管理に注意してヒートショックを防止しましょう 地方独立行政法人 東京都健康長寿医療センター 東京都健康長寿医療センター 研究所(東京都老人総合研究所)

外気温が低くなる1月は、入浴中に心肺機能停止となる人が最も少ない8月の11倍にもなることから増加する原因は、ヒートショックによるものと言われています。(図1)

ヒートショックってどんな状態で起きるの?原因は?

ヒートショックってどんな状態で起きるの?

ヒートショックは主に、体全体が露出している「入浴時」に起きると言われています。

寒い脱衣所で衣服を着脱すると、急激に体表の温度が下がります。この寒さによる刺激を「寒冷刺激」と言い、この刺激によって血管が縮まり血圧が急激に上昇します。

上昇した血圧は、入浴によるお湯の水圧と、温かいお湯に浸かることで体温が上昇し血管が拡張します。すると、今度は急激に血圧が低下します。

このような、急激な血圧の上下から失神を起こすことがヒートショックの原因の一つとされているのです。

ヒートショックは「入浴時」以外もなるの?

答えは「なります。」

ヒートショックとは急激な温度の変化から、血圧が上下に大きく変動し体に負担をかけること

ですので、入浴時だけとは言い切れないのです。ヒートショックは入浴時以外でも発生することを覚えておきましょう。

ヒートショックはどこでなるの?

暖かい温度の場所から寒い温度の場所へ移動した際に、急激に起こります。

暖かいリビングや暖かなベッドや布団から出て、トイレ、脱衣場、浴室などの寒く冷え切った空間で衣服を着脱してもヒートショックを起こす可能性があります。

トイレ、脱衣所、浴室など衣服の着脱を行う空間ほど窓がそばにありますが、窓まわりは熱が逃げやすいので、空間を暖かくしましょう。お風呂場だけと思われがちですが、こんなに危険が潜んでいるなんて、見落としますよね?

暖かい場所と寒い場所の寒暖差を少なくすることが重要なポイントです。

ヒートショックを引き起こすメカニズム(入浴時)

ヒートショックを引き起こすメカニズム 温度差による血圧変動イメージ図

①安定した血圧(通常)→ ②血圧が上昇 → ③衣服の着脱による寒暖差から血圧がさらに上昇 → ④入浴による水圧と体温上昇による、血圧の急降下 → ⑤ヒートショック

ヒートショックは「冬だけのもの」でしょ?

答えは「いいえ。」

ヒートショックは冬に多く発生し、ニュースなどでも冬場は多く取り上げられていますね。そのせいか、冬だけ発生するイメージがありますよね。

ヒートショックとは急激な温度の変化から、体への負担が大きくなり引き起こされます。

ですから、夏場に冷房の強く効いた部屋や冷たいシャワーを浴びてから猛暑の外へ出たりなど…急激な温度の変化から体への負担が大きくなり、起こる可能性も否定はできません。

【簡単にできる夏の対策】・夏場は着るもので温度調整を行う ・シャワーやお湯の温度も確認する

ヒートショックは冬だけのもの?

ヒートショックって誰でもなるの?なりやすい人は?

ヒートショックは高齢者に多くみられるほか高血圧の方、糖尿病や脂質異常症の方も注意が必要と言われています。

高齢者の方

高齢者は血圧の変化をきたしやすく、体温維持の力も低下しているためです。

高齢者の入浴中の事故の発生状況

<高齢者の「不慮の溺死及び、溺水」事故による死亡者>

事例を見てみると、高齢者の事故のうち「不慮の溺死、及び溺水」による死亡者数は増加傾向にあり、特にその7割りを占める「家」「居住施設」の浴槽におけるものだけでも、平成23年以降「交通事故」による死亡者数より多くなっています。

図2:高齢者の「不慮の溺死及び溺水」による死亡者数の年次推移出展:冬季に多発する入浴中の事故に御注意ください! -11 月 26 日は「いい風呂」の日- みんなで知ろう、防ごう、高齢者の事故 ② 消費者庁News Release

なお、ヒートショックをなども含めた入浴中の急死の中には病死などと判断される場合もあることから、平成25年度の厚生労働省の研究事業による調査結果において、実際に発生している入浴中の事故は更に多いと推定されているようです。(図2)

図3:「家」、「居住施設」の「浴槽」での「不慮の溺死及び溺水」による 年代別・人口 10 万人当たりの死亡者数(平成 19 年・平成 28 年)出展:冬季に多発する入浴中の事故に御注意ください! -11 月 26 日は「いい風呂」の日- みんなで知ろう、防ごう、高齢者の事故 ② 消費者庁News Release

「家」「居住施設」の「浴槽」での死亡者数について、年代別に人口 10 万人当たりで 見ると、年代が上がるにつれて増加していることが分かります。また、10 年前と比べて全年代で死亡者数が増えており、特に後期高齢者と呼ばれる 75 歳以上の死亡者数が増えていることが分かります。(図3)

高血圧の方

血圧の急激な上下変動による低血圧が起きやすくなるため。

糖尿病や脂質異常症の方

動脈硬化が進行している場合、血圧のスムーズな維持が難しくなっているため。

ヒートショックにならない為の予防法は

ヒートショックは寒暖差を減らすことで、予防できます。

消費者庁は、冬季に高齢者で多く起こる入浴中の事故に対する認識や入浴の実態等を調べる目的で、平成 27 年 12 月に 55 歳以上の男女 3,900 名にインターネットを用いたアンケート調査を行いました。行った入浴に関するアンケート調査では、冬の寒い日でも浴室や脱衣所の防寒を何も行っていない人が 36%いました。※1(図4)

※1:アンケートの結果を地域別に集計すると、北海道 19%、東北 34%、関東 35%、甲信越 25%、東海 40%、北陸 28%、近畿 37%、中国 42%、 四国 45%、九州 41%になり、浴室や脱衣所の防寒は寒い地域ほど行っていました。

図4:アンケート 冬の寒い日に、あなたが入浴時に行なっていることを下記から選んでください。出展:冬場に多発する高齢者の入浴中の事故に御注意ください!  消費者庁News Release

ヒートショックが起きる前に予防法を取り入れましょう!全ては無理でも、まずはできることから始めるのがポイントです。

①入浴前に脱衣所や浴室を暖めましょう。

入浴前に脱衣所や浴室を暖めて 暖かい部屋から温度の低い脱衣所や浴室内に入ることで、血圧が上がります。その後、温かいお湯に浸かることで血圧が低下します。

この急激な血圧の上下を抑えるために、入浴前には脱衣所や浴室を暖め、温度差をなくすことが重要です。

①浴室や脱衣所に暖房がある場合は利用し、入浴前に暖めておきましょう。

脱衣所等で暖房器具を使用するときは火事や熱傷に気をつけてくださいね。

②浴槽に湯を入れる際はシャワーから給湯すると、シャワーの蒸気で浴室の温度が上がります。

③浴槽の蓋を外しておきましょう

浴槽にお湯を入れる際や、お湯を入れた後、入浴する少し前に蓋を開けて浴槽内に温かい蒸気を充満させるのもおすすめです。

④浴室内の壁や床にシャワーをかけると、蒸気で浴室の温度が上がります。

②入浴前はかけ湯やシャワーをして、入浴準備をしましょう。

入浴前はかけ湯やシャワーで入浴準備 まず、入浴準備として掛け湯やシャワーをしましょう。

寒いトイレや廊下、脱衣所、浴室などからそのまますぐに入浴すると、血圧が急激に上下に変動し体に多くの負担をかけます。

入浴前に掛け湯を行うのもヒートショック予防の1つです。

③湯温は41度以下、お湯に浸かる時間は10分を目安に。

熱すぎるお湯や長時間の入浴はNG 入浴中のお湯に浸かる時間は10分までを目安に、長時間の入浴は避けましょう。

厚生科学指定型研究 入浴関連事故研究班は「41 度以下で 10 分以内に上がる※2ことを推奨しています。

※2「気をつけて冬のお風呂の死亡事故」厚生科学指定型研究 入浴関連事故研究班 日本法医学会・日本温泉気候物理医学会・日本 救急医学会

浴槽に浸かる時に気を付けていることとして「熱いお湯に浸からない」(図5)と回答した人が37%います。図5:アンケート 冬の寒い日に、浴槽に浸かる時に気をつけていることを下記から選んでください。

しかし、お湯の温度と浴槽に浸かっている時間を調べてみると…

浴槽に浸かる時に気を付けていることとして「熱いお湯に浸からない」(図5)と回答した人のうち、26%は42度以上の湯温にて浸かっていました。※3

※3:浴槽に浸かる時に気を付けていることとして「熱いお湯に浸からない」と回答した人のうち、26%は 42 度以上の湯に入っており、 41 度以下が 72%、分からないとの回答が2%でした。

<お湯の温度と浴槽に浸かる時間>

図6:アンケート お湯の温度

図7:アンケート 浴槽に浸かる時間

 厚生科学指定型研究 入浴関連事故研究班は「41 度以下で10分以内に上がる」ことを推奨しています※2 が、温度・時間共に、安全な入浴方法を守っている人は 42%にとどまっています。

自分では気をつけているつもりでも、お湯の温度が高めだったり長時間入浴をしている方は以外に多いのかもしれませんね。

④浴槽から急に立ち上がらないようにしましょう。

浴槽から急に立ち上がらない 入浴中はお湯で体に水圧がかかります。その状態から急に立ち上がると体にかかっていた水圧が無くなり、圧迫されていた血管は一気に拡張します。

すると、脳に行く血液が減ることで脳は貧血状態になり、一過性の意識障害を起こすことがあります。

食後すぐや、アルコールが抜けない状態での入浴はNG!

食後すぐ、アルコールが抜けない状態での入浴はNG 食事の1時間以内や飲酒時は血圧が下がりやすいので、注意が必要です。食後に血圧が下がりすぎる食後低血圧によって失神することがありますので、食後すぐの入浴は避けましょう

また、飲酒後の入浴は「入浴中の事故発生」に影響があると考えられます。飲酒後、アルコールが抜けるまでは入浴しないようにしましょう。

体調が優れない時や疲れを感じた時は控えましょう。

体調が優れない時や疲れを感じた時は控えましょう 入浴は自分で思うよりも体力を使います。酷く体調の悪い時や、酷い疲れを感じた時は、できる限り入浴は控えましょう。

脳出血や心筋梗塞を起こさない為にも、自分の体と向き合ってくださいね。

精神安定剤、睡眠薬等の服用後も入浴は避けましょう。

精神安定剤、睡眠薬等の服用後も入浴は避けましょう 精神安定剤・睡眠薬などの、薬の服用後の入浴は大変危険です。服用後の入浴はできるだけ避けて、注意しましょう。

入浴する前に同居者に一声掛けて、見回ってもらいましょう。

入浴する前に同居者に一声掛けましょう 入浴中に体調の悪化等の異変があった場合は、周囲の人に早期発見してもらうことが何よりも重要です。そのためにも、入浴前に周囲の方に一声掛けてから入浴するようにしましょう。

入浴時間が長い、物音がしない、突然大きな音がしたなど、何か異常を感じたら躊躇 せず声を掛けてください。

入浴中に体調の悪化等の異変があった場合は早期の発見が重要です。深夜や早朝は 気温が低下すること加え、同居者が気付きにくくなる可能性もあるので、入浴はなるべく控えまししょう。

家族が浴室でぐったりしていたり、溺れていた場合は?

いざというときのために応急手当を覚えると便利 浴槽でぐったりしている人(溺れている人)を発見したら可能な範囲で対応しましょう。

①浴槽の栓を抜く。大声で助けを呼び、人を集める。

②入浴者を浴槽から出せるようであれば救出する。(出せないようであれ ば、蓋に上半身を乗せるなど沈まないようにする。)直ちに救急車を要請する。

③浴槽から出せた場合は、肩をたたきながら声を掛け、反応があるか確認する。

④反応がない場合は呼吸を確認する。

⑤呼吸がない場合には胸骨圧迫を開始する。

⑥人工呼吸ができるようであれば、胸骨圧迫30回、人工呼吸2回を繰り返す。できなければ胸骨圧迫のみ続ける。

看護の専門知識はなくても、いざという時の為に救命講習を受けるなどの応急手当を覚えると便利です。

活用しよう!「ヒートショック予報」

冬の季節はTVのニュースなどでも『ヒートショック』という言葉をよく耳にしたり、意識が高まっていますよね。現在はヒートショック予報などもあるのをご存知ですか?

気象予測情報に基づく、家の中でのヒートショックのリスクの目安が分かりますので、活用するのも1つの方法です。

ヒートショック予報(日本気象協会)

https://tenki.jp/heatshock/

ヒートショックまとめ

寒い冬の時期は暖かいお湯に浸かって、心も体もじんわりほぐしたい…!そんな気持ちは老若男女問わず感じますよね?冷えを気にする方や、毎日の仕事や家事で疲労の溜まった方…どんなに体が辛くても、ヒートショックを起こさないように注意しながら入浴してくださいね。

  • 脱衣場や浴室は事前に暖めて、寒暖差をできるだけ減らすこと。
  • 高温のお湯に長時間浸からないこと。
  • 食後すぐや、アルコールが抜けない状態での入浴は避けること。
  • 精神安定剤、睡眠薬等などの薬の服用後も入浴は避けること。
  • 体調が優れない時は、無理をして入浴しないこと。
  • 入浴する前に、同居者に一声掛けること。

冬場に多く発生するヒートショック。入浴で体を温めながら安心したバスタイムを楽しめる様に、できることからヒートショックの対策を取り入れましょう。

高温のお湯に浸からなくても、しっかり体を温めたい!そんなご希望なら入浴剤の力を利用するのも1つの方法です!

入浴で体を温めるなら「入浴剤」を入れるのがお薦め!

入浴剤を使用するメリット

入浴剤は効果や用途により「医薬部外品」「浴用化粧料」「雑貨」等に分類されます。

《医薬部外品》

硫酸ナトリウム(芒硝)、炭酸水素ナトリウム(重曹)、塩化ナトリウム(食塩) などの温泉成分や陳皮など身体を温める成分の入った「医薬部外品の入浴剤」や、入るだけで老化角質を洗浄できる「酵素入りの入浴剤」などがあります。

《浴用化粧料》肌を潤すことを中心とした入浴剤。

《雑貨》香りや色を楽しむ〝雑貨扱い〟の入浴剤。

入浴剤と言っても効能があるもの、無いもの。種類や内容は様々です。ご自分の気になるポイントや好みに合った入浴剤を選んでバスタイムに取り入れられます。

まずは、自分の使っている入浴剤がどんなものか?どんな入浴剤を使いたいか?を意識して選んでみてくださいね。

湯冷めしない方法&体を温めるメリットまとめ【入浴剤メーカー監修】

保存版!酵素のメリット&おすすめ酵素入浴剤まとめ。スキンケア・ボディケアも!

ヒートショックから体を守りながら、賢く楽しい入浴タイムをお過ごしくださいね。

 


参考:冬場に多発する高齢者の入浴中の事故に御注意ください!  消費者庁News Release

https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/caution/caution_009/pdf/caution_009_181121_0001.pdf

参考:冬季に多発する入浴中の事故に御注意ください! -11 月 26 日は「いい風呂」の日- みんなで知ろう、防ごう、高齢者の事故 ② 消費者庁News Release

https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/caution/caution_009/pdf/caution_009_181121_0001.pdf

参考:「気をつけて冬のお風呂の死亡事故」厚生科学指定型研究 入浴関連事故研究班 日本法医学会・日本温泉気候物理医学会・日本 救急医学会

http://www1.city.matsue.shimane.jp/anzen/shoubou/kyukyu-jyouhou/oukyuteate.data/ofurosiboujiko.pdf

参考:入浴時の温度管理に注意してヒートショックを防止しましょう 地方独立行政法人 東京都健康長寿医療センター 東京都健康長寿医療センター 研究所(東京都老人総合研究所)

https://www.tmghig.jp/research/cms_upload/heatshock.pdf

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